『中年リーマンラーメン店ワンオペ』への道。~第2回~

『中年リーマンラーメン店ワンオペ』への道。~第2回~

これは、飲食経験ゼロの中年リーマンが2週間でワンオペ営業を目指す奮闘記です。

■前回までのお話
サンライズキッチンに新入社員で入社した私は、現場の仕事を覚えるため、
2週間でワンオペ(1人営業)が出来るように研修に出る指示を受けた。

前回の記事はこちら↓

■わたしのスペック
・年齢48歳
・デスクワークのサラリーマン一筋25年
・飲食業未経験
・接客未経験
・立ち仕事未経験
・包丁もろくに使えない状態

サンライズの独立開業支援を受けて、ラーメン店をオープンしようと検討している皆様の中には、同じような「立ち仕事が未経験」だったり、「飲食業に縁がなかった」方も多いと思います。

同様にこんなスペックの自分が、ど素人として、どう悩みながら、失敗しながら、この研修を受けていくかを読み物として体験していただくと幸いです。

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研修2日目~10日目 怒涛の研修内容

初日はまずは洗い場と、食券のオーダーを受ける方法を習い、それは2日目以降も毎日平行して研修は続いた。

同時に、朝出勤してから、通常営業を行い、深夜に店を閉めるまでの、あらゆる作業について、一から指導を受けることになった。

その様々な研修内容を見ると、それらは大きく分けて3つの分野に分けられることがわかった。

ラーメン調理人としての研修

他の調理に比べて、ラーメンは比較的に工程が簡単な商品であることは間違いないが、包丁すら握ったこともない自分には、最も重要であり、難関の分野である。
飲食店で受ける研修とは、すばりこれを指すというのはもちろん事前にわかっていた。

仕込み


・チャーシューの調理
まず、豚ばら肉の半身を、包丁で12センチ程にカットする。
恐る恐る先輩の真似をして包丁を入れるが、真っすぐに切れずに斜めになってしまう。
真っすぐに切る方法をアドバイスされ、その通りに試すと何とかうまく切れる。

ただし、今度は切った塊が見本と比べると細いものになっていた。
そう、チャーシューは煮込むと油が出て、肉の塊か小さくなることを計算にいれていなかったのだ。
んー、難しい。

その後、カットした肉を煮込んだり、チェーシューのタレに漬け込むなど、一通りの工程を習う。

その他、スープの準備、キャベツのカット、包丁を使うコツなども教わった。

レードルを使う練習


レードルとは、スープや味の元になる醤油や塩や味噌などのタレの返しを図る道具である。
これは実は非常に大切な作業で、その分量を間違えると味が微妙にブレてしまう。

すりきり一杯になっていても、表面張力で分量が多くなっていたり、レードルが傾いていれば、その分量は規定より少ないものになってしまう。
巣早く一発で適量をとることが重要だ。

説明を受けて恐る恐るそれを試すも、どうしてもうまくいかない。
レードルが傾いていて、分量が定まらない。
一発で決まらず、何度も継ぎ足したり、減らしたり…。
色々とコツを教わり、なんとも試すが、この練習は最終日まで続くことになる。

③麺上げと湯切りの練習


茹で麺機という機械を使い、常時沸騰しているお湯の中に麺を入れ、タイマーをセット。途中麺をほぐしながら茹でていく。
茹で上がった麺を丼に入れると麺は固まりになっていた。
そう、麺がほぐれておらず、そのため茹で具合が一定ではないのだ。

なんとか、茹でのコツはつかんだが、今度は湯切り。

ラーメン職人で浮かぶイメージは、かっこよく湯切りをして麺を上げている姿である。
恐る恐る振ってみるが麺を入れているテボという道具から、麺が飛び出しそうで、うまく水分が取れない。
実際に何度か麺を床に落としてだめにしてしまった。

「こうやるんだよ。」と先輩が見本を見せると、ビシャ!ピシャ!といい音がして、水分が飛んでいく。
何度も試すが、うまくいかず、今度はテボに濡れた布巾を入れて練習する。
この練習もしばらく続くことになる。

こんな感じのラーメン作りの基本を、一から丁寧に教わる毎日だった。

接客スタッフとしての研修


ワンオペ(1人営業)をするということは、厨房の中の調理だけをすればいいわけではない。
カウンターやホールのお客さんの動きまで、同時に把握していないといけないためだ。

入店から退店まで、お客さんの動向に目を光らせる。
トイレに立っていると把握したり、ポットの水や調味料などが足りなくなっていないか、下げていない丼はないか、テーブルは汚れていないかなど、注視する点は多数ある。

数多くのチェックポイントと、そのコツを次々に惜しみなく教えてもらう。

時間との勝負のラーメンの調理と、同時にそれらをこなすのだ。

目の前のラーメン作りだけで視野が狭くなっていると、お客さんの困った状況に気づくことが出来ない。
先輩は調理しながら常に客席に注意を払い、様々なお客さんの要望に応えている姿を見て、感心してしまう。

そう、ワンオペは、調理スタッフであり、ホールスタッフでもあるのだ。

店舗運営者としての研修

厨房の調理をしながら、客席の接客も行う。
それは飲食未経験の素人である自分にも事前に予想はついていた、ただもう一つの役割として、自分が店舗の営業をスムーズにまわしていく、店舗責任者として位置づけだ。

お金の管理

売上金の銀行への入金や、券売機のおつりの小銭や、高額紙幣の両替金の準備。
毎朝仕込みの前に銀行へ行くことから始まる。
営業中に券売機のおつりが切れるとスムーズな営業が出来ないからだ。
そういえば、よく銀行で両替をしている飲食スタッフを見たことがあった。

各種買出し

ティッシュやトイレットペーパーなどの消耗品から、トイレの芳香剤、掃除道具など、
いざ必要なときになくて困るようなものを定期的にチェックして、事前にまめに買出しに行くのだ。

いくら店舗運営のノウハウがあるとしても、よくそんなところまで気がつくなと素人から見て驚くようなノウハウを教わる。

朝の開店準備の時間や午後のアイドルタイムで、銀行やコンビニ、100均ショップなどを効率よく回る。
もちろんワンオペで午後休憩のない店舗の場合は、全て営業時間外でそれをしないといけない。
時間との勝負なのだ。

各種発注

食材の発注は、種別によって発注締切や納品スケジュールが違い、定休日や冷凍や宅配便などの納品方法も違う。
もし、自分が食材の必要数の見込みを間違えると、食材不足で提供出来ないメニューが出来たり、最悪営業自体にも影響を及ぼすこともある。

冷蔵庫や冷凍庫、倉庫などの残数を確認し、カレンダーを見ながら漏れなく発注をしていく。

体への負荷について

もちろん2週間程度の経験で、肉体労働の体への負荷を語るのは早急だが、研修開始当初、自分が抱えていた体への負荷は問題ないと思った。

もちろん、研修は12月半ばから下旬の今年一番の真冬日の時期に行われたので、水の冷たさや、Tシャツで営業するための寒さはありとても辛かった。
防寒対策をして毎朝早朝に出勤しても風邪をひいた。
ただし、長年デスクワークしかしたことがなかった自分には、体を動かすことが日々のいい運動となり、定期的に通っていたジムへも行かなくなった。

お風呂でのマッサージや十分や睡眠の確保など、生活も健康的になり、自分の体を労わるという習慣も出来た気がしていた。

克服できないワンオペへの不安

ラーメンの調理方法や接客、店舗の運営方法についてはある程度身に着けることは出来てきた。

問題点は、殺到するお客さんのオーダーに正確に対応出来ないことだ。

少ない人数や、比較的暇に時間にポツポツ来るオーダーには対応出来ても、昼食や夕食時にラッシュには全く対応出来なかった。

2人組の後、4人組、次に3人組と次々にオーダーが入ると、頭が真っ白になってパニくってしまう。

セットのお客さんは同時に上げないといけない。
ここで家系ラーメン独特の「ラーメンのお好み(麺の硬さ・味の濃さ・油の量)」がその調理のハードルより上げていた。
調理に専念しすぎるとオーダーが取れない。あれだけ叩き込んだホールへの目配りも忘れ、ラーメン作りで精一杯の状況。

もちろん、明らかに経験不足であり、場数を踏めばある程度は慣れるとは思うが、それにしても多くのミスをして先輩に助けてもらっていると非常に落ち込む。

麺があがってから「間違ったこれ大盛だった!」
麺を入れた後に「醤油じゃなくて塩だった!」
ポットの水がないって「今、手が離せないから待ってよ!」
券売機が詰まった?「そっちまで対応出来ないよ!」

繰り返される失敗に、自分には才能がないのでないかと、ひどく落ち込む毎日だった。

迫り来るリミット

会社から受けたミッションは、「2週間でワンオペ営業を身に着ける」というもの。

自分には、技術的な面もさるものながら、一番の克服しなければいけない課題があり、それは「自信を持って、誰にも頼らす、一人でやりきる強い意志」が足りない。

そう、必要なのは、強い精神力なのだ。

最後の数日は、マンツーマンで厳しい特訓受けた。
とんなにパニくっていても先輩は助けてくれない。
よく怒られた。数え切れないくらい落ち込んだ。
それでも何度も何度も気分を取り直して厨房に立った。

そして、いよいよ明日、2週間目の最終日。
そんな不安を抱えて、ワンオペ営業の卒業試験の日を迎えるのだった。

(続く) 次回完結

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